カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。
2020.12.27
私の感覚ですが、コロナウィルスの影響により、記憶では今年の4~5月頃不動産の動きが止まり6月頃からまた動き始め、今も動いていると感じます。
価格について言えば、大幅な値下げは見られず、ほとんど変わらないか、物件によっては少し上がっている印象も受けました。
コロナ禍が続くこれからですが、需要があり売れるものは下がらず物件やタイミングによって上振れするように思います。
一方、需要の変化を受けて買いづらい買われづらい物件は、下振れするように思います。
上振れ、下振れと言っているのは、売り出し価格に限らず、売り出し価格からの指値幅の通りの大きい小さいの意味も含めています。
需要のある物件は大きく下げず、買いづらい買われづらい物件の価格は買主との巡り合わせを大切に相対での交渉に応じる傾向が強まるのではないかと思います。
需要のある物件、人気のある物件、競合で買付が入る物件であっても、売主の性格や事情、考え方などによって値引きに応じるケースが目立ってくるような気がします。
ただし、あえて、価格交渉がきつい時期に売りに出す必要もないのですから、大事にしている物件は売りに出さず、処理したい物件が出てくるという流れはあると思います。
仮に売りに出したとしても、売れなければ売れないでいいという強気な姿勢の売主もいることでしょう。そういう場合は、あえて拘(こだわ)らず、同じような物件で気に入る物件があれば、価格が下がる物件に目を向けるのがいいかもしれません。
不動産の価格には相場がありますが、相場を無視して売ろうとする方もいますし、相場からずっと下でなければ買わないという方もいます。
ところで、上振れする物件は、売主の姿勢が強気という理由も一部ありますが、やはりそれだけ「いいもの」という側面もあるように思われます。(そうでない場合もあります。自己責任で見極めていただきたいところです。)
半面大幅な指値がきく物件は、元々の売り出し価格が高すぎたのか、買える(買う)方が少ない物件であるとか、そもそもそのくらいが妥当な金額の物件であるという場合が少なくないでしょう。もちろん中には、売り急ぎとか売主が価格にあまり拘りがない、よくわかっていないケースもあるでしょうが、不動産売買とはお金のことですから、案外価格は正直で、物件の価値は価格通りということが思った以上に多いもの、そう私は考えています。
お金というのは、価格というのは、不動産というのは、それ自体では嘘をつかないものだと思います。
嘘をつくのは、それらと関わり、あれこれ計算しているうちに自分に都合の良いように解釈を変えてしまう人間の側。それが、人間の本質のような気がします。
コロナ禍、これからの不動産についていろいろな予測があると思いますが、私は、来年は、下振れする物件は多数出てくると思います。
下振れする物件の動きが強くなると、上振れする物件も全般的に統一感をもって多少下がってくるような気がします。
来年は、不動産を買うにはいい時期となるのではないでしょうか。
物件をお探しの方は、気に入るものがあれば、多少の指値をして(指値が通らなくても)お買いになられたらいいかもしれません。
コロナ禍の不動産購入のチャンスがあるとしたら、来年かもしれないと私は思います。
ただし、当たるも八卦当たらぬも八卦、予想ですから。
再来年はもっと価格は下がるかもしれませんが、買いたいということが決まっているのであれば、やる気のあるうち買いたいうち? また、来年買って、再来年も買うというのも一つのやり方でしょう。再来年のことは来年決めるのでもいいかもしれないです。
再来年より来年の方が近いので。まずは来年は、気に入る、あるいはいい物件を価格次第(希望価格とはいかなくても)で買っておく。底値を狙うのではなく、気にいる、いい物件が見つかれば、それなりの価格でその物件を買う、というのでも長い目でみれば、底値で買うのとそれほど大きな違いもない、ということも結果的にはあると思います。
結果的に、ということは、買ってみないとわからないこと。だから、どうしても底値を狙いたくなるものでしょうが、値段に気を取られると個別の物件に意識がいかなくなるので、買いそびれてしまうということは多いのではないでしょうか。
買おうと考えている方でも無理して買う必要もない方も多いでしょうから、買わないで見送るのもいいのでしょう。
不動産投資は、生活の必需品ということではないので、やってもやらなくてもいいもの。好きな方はやりますが、合わない方はやる必要もなく、また株などとも違うものです。
長い目で見て、というのが合うのが不動産投資でしょうから、一瞬の値動きを追いかけるのは得なようでも見失うものもある。底値で買って転売益というのは、考えることがたくさんありすぎて頭が痛くなるものかもしれません。そういうのが好きな方はまたおられるでしょうから、それはそれで、また不動産投資の尽きない興味になるのでしょうか。
コロナ禍での不動産の買い時があるとしたら、目に見えてくるのは、来年あたりかな、と私は勝手に思っています。
皆さんは、いかがお考えでしょうか。
カズシン株式会社
代表取締役 山内和美