カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。
2020.01.26
平成9年~約6年間、私は東京都内の不動産会社(管理物件がたくさんあって、地場の老舗の『いわゆる不動産屋さん』)に勤めていました。
長女が生後10カ月の時に入社し、二女が生まれる数カ月前に退職しました。
当時の同僚がその勤めていた不動産屋さんの近くで、自分の店を出して(独立)10年以上になります。
そちらの方面へ行く用事があって、久しぶりに店に顔を出しました。
元同僚は、勤めていた時も独立してからもずっと同じエリアで不動産の仕事をしています。
私は、16年以上前に辞めているので、元同僚ほどこのエリアの不動産市況を実感できません。
このあたりのエリアの賃料や相場、細かい値動きなどについては、私はすでに現場にいないため的確さを持っていないと思います。
元同僚に質問しました。「どう? このあたり賃料は下がった? それとも変わらない?」
彼は言いました。「変わらないね。何にも変わらない。ずっと同じだよ。ここは。」
同じ物件、同じ賃料・・・、大きな値動きはないので、おおまかに言うとそういうことになるのでしょう。
細かく言えば、私には、ワンルーム一つとっても、20年前との変化が感じられました。賃料が少し下がった(古い物件も増えたとしても)印象を受けるのです。
しかし、ずっと20年以上も同じエリアで同じ対象を扱っていると、変化が起きていてもいきなりの変化でなければ、大きな変化でない限りそれほど意識しないものなのかもしれないですね。
外から見た方が、その変化は案外気がつくものなのかもしれません。
「私が(このエリアで)仕事していた頃は、ワンルームで(何万円台って)ほとんど無かったと思う」と言うと、彼も「ああ、そうだったね」と。遠い日を思い返した様子。二人の時間軸が一致して、「ああ」とお互いになるものなのですね。
彼は免許番号を2回更新(5年ごとの更新)し、今は(3)【宅建業者番号】になっています。
独立してから、大波小波が何度もあったことでしょうが、今ではすっかり管理物件だけで手一杯、地元の「忙しい」業者さんになりました。
数年前は売買物件の方はあまりやっていなかったのですが、今ではけっこう扱うようになっているとか。
数十件あった空室(管理・元付物件)がこの繁忙期(1月)に入って、残り1/3もないとか。どんどん決まっているそうです。
ワンルームが多く、やはり手頃なワンルームはよく決まるそうです。街のニーズにも合うのでしょう。
「そろそろ一つ仕事を一緒にしたいよね」彼からの提案。「そうだよね。そろそろ、できるといいよね。」と私。
いずれの日かの成約を楽しみに、これからもお互い情報交換を約束し、私は彼の店を出ました。
不動産業者同士の付き合いとは、1つの例ですが、このようなパターンがあります。
長い年月をかけて、少しずつ蓄積していく、お互いの業者としての経験。それらを武器に持ち得て始めて、1件の成約の日を迎えることができるのでしょうか。
不動産業界、不動産業とは。地道に、長い試練の繰り返しに耐えた者だけが、最終的には長く残れる、過酷な世界ではないかと感じます。
「悪徳」と呼ばれ揶揄されることもある不動産業界、不動産業者ですが。実際のところは、長い時間をかけてやっと信用を得られる、大変地味な部分を持っていると思います。
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カズシン株式会社
代表取締役 山内和美