カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。
2019.11.09
昨日、区分の中古ワンルームマンションの売買契約でした。
このところで、東京の駅近物件(ワンルーム、賃借人付)を少しずつ購入し始めました。
神田の弊社事務所から歩いて行ける、いつでもすぐに駆けつけられて、場所柄よくわかる物件に限ってのこと。
不動産投資の市況は東京オリンピックの後変化すると言われ続けている面がありますが、必ず上がるとか必ず下がるとわかっている株がその通りになるはずがないだろうと思われるのと同様に、必ず市況が下がるとわかっているのであれば、市況はその通りとはならないと思います。
ただ、地方の交通の利便性が良くない、人が少なく物件が余っている地域では、一層、入居者集めが大変になるかもしれないと思います。
上がる要素のない株はやはり上がる理由がないように。
東京の駅近物件、とくに人が多く賃貸需要に不安のないエリアは、あらかじめわかっている「東京オリンピック」という大イベントが終わったとしても、物件価格はそれほど下がらないと私は思っています。
仮に価格が下がったとしても、少し前に買えばその分、その期間の家賃が先に入りますので。多少下がっても立ちいかないほどのダメージにはならないように思われます。
リーマンショックのような場合はどうでしょう。リーマンショックは急でしたが実際サブプライムローンという予兆があり、その時から、市況に変化は感じられたのですが、それにしても、リーマンのショック度は大きく、不動産業者で仕入れをして再販している方々の多くは、在庫を抱えて、半値みたいになってしまった物件になすすべがありませんでした。
融資が付き易くなる活況の始まりで、多くの不動産業者さんは借入ができるようになります。借入ができるようになるのと並行して、不動産価格は上昇していきます。仕入れた物件が後で売ると仕入れた時より高く売れる、業者にとってはチャンスとなるサイクルに入ります。
不動産業者としては、当初は固いやりやすい手離れの良い物件の仕入れ再販をしていた段階から、さらに大きな借入を起こせるようになっており、立ち退き案件など難しい時間がかかる物件をこなして利益をあげようという気持ちになっているものです。そして、立ち退きが当初の見込みより長引いている最中に、リーマンショックが・・・、このようなサイクルで、売ろうにも借入を返済する見込みが立たない在庫を抱えてしまって、大変苦しみます。
市況の好機によって、1つやると、数千万円の利益がわりと簡単に出せる経験を蓄積していく頃、同じ市況に生きている同業者の中のこと新規参入者も多くなるため、物件獲得合戦みたいにもなり、少し難しく通常なら手がけない物件も「大丈夫だろう」という感覚になり手を出してしまうようです。また、そうした物件は、俗に言う「化ける物件」という見方もできて。「何とかなるはず」が、思いのほか、何ともならず。そういう時に限って、リーマンショックのような大きな市況の変化が起こるような気がします。
だから、今回の「東京オリンピック」みたいなイベントでは、元々からブランド力や人気を確立しているエリアの駅近物件などは、思うほどは値下がりはしないのではないかと私は考えています。とは言え、イメージだけ先行して一時的に人気が作られているようなエリアの物件などは、影響を受けるように思います。
皆さんの予想はいかがでしょうか。
カズシン株式会社
代表取締役 山内和美