カズシン・ブログ

カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。

スマートデイズ 民事再生法申請 オーナー説明会・スルガ銀行 金融庁立入り検査

2018.04.13

民事再生法の適用を申請した『かぼちゃの馬車』等の運営管理会社「スマートデイズ」は、オーナー様への説明会を昨日(12日)開催。説明会には、およそ130名のオーナー様が出席されたようです。

お金の流れを究明したいオーナー様たちからは、「破産」を望む声が強く上がったそうです。破産管財人による徹底究明を求めているようです。

「スマートデイズ(旧スマートライフ)」のお金の流れを明らかにしてもらわないと納得できるわけがない、というのがオーナー様のお気持ちのようで、それはもっともなことだと思われます。

「うやむやにされたのではかなわない、せめて事実を明らかにしてもらいたい」ということがオーナー様のお気持ちでしょうか。

さて、『投資は自己責任』論と、今回(この数年)スマートデイズ(旧スマートライフ)がおこなったことは、別に分けて考えてみる必要があると思っています。

会社員等である個人オーナーが億超えの投資をおこなった。それもおよそ700名という、けっして少ないとは思えない規模で。また、スルガ銀行が貸し出した金額は、1000億円という驚異の額です。

1000億円もの大きなお金が700名もの社会人に、「ほぼ自己資金なし」という建付けで貸し付けられた。

スルガ銀行の味方をするつもりはないのですが、民間企業である銀行(今回はスルガ銀行)がリスクに見合う金利(今回は3.5%~4.5%)をとって、属性の良い安心できる会社員の方々へ貸し付けたということについて。

銀行はお金を貸して、利払いを受けることが業です。したがって、このこと自体は、理解しがたいというほどの大きな違和感などは私としては持っておりません。

ところで、年収の水増しさえあり、その偽造書類によって、本来のその方の年収に見合わない多額の融資(億超え)が実行されたことに対する批判があるようです。

銀行が結託したというような批判も多く見受けられますが、はたしてその点については本当にそうなのでしょうか。

半信半疑であったとかそういう次元ではなく、まさしく結託したのでしょうか。

銀行は、元利(元金と利息)の支払いを受けなくてなりません。利息は、1つは、リスクに応じて設定されます。<元金返済+利息の支払い> が滞りなく、長期間継続することを前提に、融資を実行するのだと思われます。

「返済が滞る方には融資をおこなわない」ここは肝だと思われます。

そもそも、おそらく物件(今回は『かぼちゃの馬車』等シェアハウス)のリスクが高いうえに、あえて年収が基準に満たない方に融資をおこなうことは、銀行としては、通常想像するに、得策ではないように思われます。

物的担保より、人的担保を重視しての融資であったとすると、この年収の基準については、曲げてはならないラインだったのではないかと。

しかし融資残高を増やしたい銀行が、そこを曲げて、販売会社等と結託したかもしれない(結託したも同然?)というのが、現在出ている1つの批判のように見受けられます。

そこが私には不思議に思われます。銀行、支店、支店の担当の方たちがどうしても成績を伸ばしたいという強い意識があり、その場合、明らかに基準から離れている年収の方に対しても販売会社等と結託してでも、融資を実行したということが、実際にあったのでしょうか。

そこがハテナ?なのです。年収だけは融資基準に見合わないと、貸し出すリスクが高すぎるのではないかと思われるのです。成績のために、肝心かなめの年収のところを飛ばしてしまうというのは、冷静な判断とは思われません。銀行にとっても、支店にとっても、そのご担当の方にとっても、結果的にリスク以外の何物でもなく、一体どれほどの得があったことなのか、と。

仮の話になりますが、銀行が「年収の書類」改ざんに、いろいろ言われているように協力していたとするならば、私の感覚としてですが、理屈らしい理屈としては合致してこないのです。

したがって、理屈以外の何かがあったとしないと、成り立ちにくいのではないかと私には思われるのですが、真相はどのようなところなのでしょうか。

実情はわかりませんが、もともと、「スマートデイズ(旧スマートライフ)」(販売会社も)は、年収700万円以上というような明確な基準のもと、オーナー様方投資家を募ったのではないでしょうか。なぜなら、そうでないと、銀行が融資をしないからです。

投資家募集、融資実行が繰り返されるうちに、700万円と言わず、もっとずっと少ない年収の方の年収の部分について書類改ざんしてでも、売り先を作りだす、というほどの行き過ぎた販売会社の動きに対して、銀行も結託。融資の実行がなされたというのでしょうか。

今のところ、私はこのところに関しては、ハテナ?です。

仮に半信半疑というような範囲でもなく、「結託」? 結託という言葉には、積極的に、という響きが強く感じられます。目先の成績のために、「結託」してでも?

私にはちょっとよくわからないです。

物的担保に不安があってもお金を貸すのは、借りる方の属性に不安がないからではないでしょうか。そのラインから逸脱してでも、お金を貸した、ということ。本当であれば、大変な間違いになるのでしょう。

一方、もし年収の改ざんには関わっていないということであれば、ぎりぎりのラインで踏みとどまっていたということになるのでしょうか。

明らかになるのかどうかわかりませんが、とても大事な部分だと私は思います。

金融庁がスルガ銀行へ立ち入り検査をおこなうことになるようです。

今後明らかになることはどのようなことなのでしょうか。

どれほどのことが明らかになったとしてもオーナー様の怒りはおさまらず、明らかになればなるほど、より怒りが強くなるようなこともあるかもしれません。

それでも、やはり、真実を知りたいということのほかないかもしれません。

起こったことは変えることは難しいとしても、であれば、なおさら、せめて、本当のことを知りたい、という気持ちは強まることでしょう。

いま真実を知ることができないことで、身を焦がすような思いをされているのではないでしょうか。

「本当のことをおしえてほしい」この気持ちが叶う日はくるのでしょうか。

 

カズシン株式会社

代表取締役 山内和美