カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。
2021.06.17
コロナショックによって、不動産価格がどう動くのか関心をお持ちの方は多いでしょう。
2021年公示地価(1月1日時点)、とくに大阪の商業地、東京においても下がったところがあります。コロナウィルスの影響を受けてのことでしょう。
ただし、不動産業界にいる実感としては、コロナウィルスの影響ばかりではなく、そろそろ下がりそうに感じられたエリアであったり、物件のタイプによって価格が下がってきた感じもあります。
コロナ前から、価格が下がり始めている変化が感じられていたところもあり、コロナで大きくダメージを受けたところは大幅に急激な影響が出ているとしても、それ以外のところでも引き続き、あるいはじわじわと下がってきている感じはあります。
表面的には下がっていなくても、実際のところかなり下がっているケースもあると思います。見えているものと見えていないものがあるわけですが、不動産業をしていると、微妙な違いが感覚として積み重なるので、昨年から今もまだ、おそらくこれからもしばらく(とは言ってもあまり長い先までは見通しづらく)、物件を買うのにわるい時期ではないような気がしています。もちろん、高騰しており、見送った方が賢明なケースや物件もあるでしょう。
仮に高いように見えても、世の中が混乱の時は、後から振り返れば、買い時だったということもあるとすれば。慎重に、冷静にいくことを心掛ける必要はありますが。もちろん、もっとこれから下がるかもしれませんが(下がる傾向、下がる可能性はあると思っています。また、下がる物件もあると思います。)、混乱の昨年から今の間で、上手に買っている方もいることと思います。
物件(価格)の二極化が今後さらに進んでいくとすれば、コロナショックでこれから価格が下がる物件は、将来的にさらに下がる可能性もあるような気がしています。
価格は下がってくるとしても、下げ幅ということではなく、選ぶ基準が大切になるのではないかと思うのです。
ある見方に立てば大枠で価格が下がる動きが出ることがあったとしても、物件としてどの場所、何の物件を選ぶかが重要になってくると思います。
とくに地方の築年の経った一棟収益物件は収益性をよく判断してからでないと、価格が下がったように見えたとしても、現実買ってからがけっこう大変というケースは出てくるように思います。
地方や古いということだけではなく、たとえば東京で新しい物件であったとしても、一層、立地や物件の価値によって、購入するかしないかの判断が分かれてくることでしょう。とは言っても、東京の場所がいいところは、一時的に下がることはあっても、やはり強いと思います。
さて、目線が厳しくなれば、価格も下げざるを得なくなる面があります。また、融資が付きづらくなれば、評価が厳しくなれば、市場で売れづらくなる物件が決まってくるので、集中的にその類型の物件が動きづらくなったり、動かすために価格の調整が入る。調整が入る物件が出てくれば、他の不動産に関しても、随時、動きが出てくることもあるでしょう。
ほしくない物件でも大幅に値段が下がるなら買いたいと思うのか。値段が下がらなくてもいいからほしい物件に限って手に入れたいと思うのか。
不動産業者であるか一般の個人であるのか、あるいは業者であるないに関わらず、性格や物の見方考えた方によるのか、いろいろあるのでしょうが、不動産の好みや買い方のスタイルはいく通りもあると思います。
結局のところ、本人の納得感が大事なのでしょう。納得も最初から納得できないといけないのか、だんだん納得ができるようになればいいのか等、またそれぞれによって、違うことでしょう。
だから、不動産を勧めるということは、難しいと思うのです。不動産仲介業者にとって、できることはある意味、「こんな売り物件ありますけど」「いかがでしょうか」が限界かもしれません。御用聞きみたいになってしまうのですが、押し売りするわけでもなく、仲介手数料をいただく以上不動産業者として仲介責任を負うわけですから、仲介業者は、信義則(信義誠実の原則)を忘れずに、やっていくほかない。仲介業ひとつとってもいろいろなスタイルがあるのでしょうが、私は、そのようにやってきました。買うか買わないか、いいかわるいかは、ご本人に決めていただく。ご本人の希望を聞いて、できれば近いものをご紹介してみる、できる時もあればできない時もありますが、そんな繰り返し。なかなかご希望に近い物件は出てこないので、「ご縁」に任せて、淡々とした日々を過ごしながら、ゆっくり時間が流れていく。私は、そうして、気が付くと、もうずいぶん年齢を重ねました。
世の中は早いスピードで変わっているのでしょうが、私自身は、不動産仲介の仕事で流れる時間はとてもゆっくりしていました。
皆さんの時間は、早いですか。ゆっくりですか。
不動産投資はよく言われるように「自己責任」でお考えいただき、私の話は、当たるも八卦当たらぬも八卦です。
カズシン株式会社
代表取締役 山内和美