カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。
2019.12.31
シェアハウス「かぼちゃの馬車」「スマートデイズ(旧スマートライフ)」「スルガ銀行」について、このブログで時々書いてきました。
スマートデイズの「かぼちゃの馬車」物件だけではなく、一棟収益マンション等へ積極的に融資していたスルガ銀行のやり方についてもあわせて知られるようになり、サラリーマン大家さんとして不動産投資をしている方が買った物件の将来性が危ぶまれるようになりました。
たとえば、積算重視で地方、郊外のRC(鉄筋コンクリート)造をスルガ銀行の融資で買った方の中には、空室が埋まらずお悩みの投資家の方は大勢おられることと推測しています。
入居者集めに苦労する物件は、想定(満室になった場合の)利回りが高くても、慎重に検討された方がいいと思います。
たとえ利回りが半分であっても、できるだけ入居付けがしやすい物件を買われた方がいいと私は思っております。
立地が良ければ少し家賃設定を下げれば、入居者が入らないということはないですが、立地が難しければ採算が成り立たない話にもなってきます。
立地や物件が良すぎて家賃では採算が合わないというケースもあるでしょうが、自分で住むのに気に入っているならそれもいいのではないでしょうか。
物件は自分で住む(利用する)か、貸すか、売るか、の選択のいずれかはスムーズにとれるものにしておくといいと思います。
地方の買い手が付かない物件を安い価格で買って、リフォームして、周辺より家賃を下げて貸して、十分利益をあげているという方のお話をきいたことがあります。
こうしたこともないことはないでしょうが、次にその物件を売る時は、やはり高い価格では売れないことと思います。
次に売る時には、物件もまた古くなり、そろそろリフォーム投資が必要になっているかもしれません。次のリフォーム代相当分値下げするとしたら、そんなに高くは売れないこともあるでしょう。
安く買えたし、毎月家賃も入るから得をしたように思われても、数千万円単位の売買価格であればその購入代金、購入時の諸費用やリフォーム代を考慮すると、次に売買する時の価格が気になるところではないでしょうか。
次の売買を考えず、ずっと持ち続けるということであればまた違う話になるでしょうか。ずっと持ち続けて、その間入居者がずっと入っていてくれればいいですが、退去したきりいつまで待っても入居が決まらなければまた家賃を下げるのでしょうか。
入居付けに苦労する物件は、持っている間、頭が痛くなる時があるのではないでしょうか。
そうしたことも全部含めて、それでも「十分利益が出ている」「儲かっている」という方もいるのでしょう。
そうした方はラッキーな方だと私は思っています。
ラッキーな方が買われた物件と同じような物件を手に入れることは、その方と同じラッキーに巡り合わなければ、難しいような気がします。
ラッキーが実力だとすれば、その方は難しい物件を買って利益をあげるためのノウハウのために多額の勉強代を支払っているのではないでしょうか。物件選びで失敗をして損をしたこともあるのではないでしょうか。仮に損をしていないとすればそれまでの人生において投資で不動産を買うまでに、不動産についてだけではなく世の中についてたくさんの知識を得るための勉強に時間と労力をかけてきた。そういう方の投入した時間と労力が勉強代として、効果を発揮しているのかもしれません。
机上の勉強だけでは限界はあると思います。かと言って、バクチをやってしまっては後が続かないでしょう。
常識的な観点から、欲を深くせず、一般的なところで安全な物件を買うのであれば、儲けは少なくても、大損することはそれほど多くないかもしれません。
今後に続くには、大やけどしない程度に、失敗の経験を持つこともある意味において、有りでしょうか。不動産投資は額が大きくなるので一回の失敗が取り戻せなくなることもあります。失敗をすすめるわけにはいきませんが、大損に至らない小さな失敗であれば次に生かせる経験、勉強に通じるのかもしれないと思います。
何事もおよそのことは、損しているようでも今後の「勉強代」として考えると、その損には意味があるように思われます。勉強代が多額に思われても、一回の勉強代の支払いで済めば大難には至らないというケースでは、今後、勉強代を持っていかれない相手と付き合い、勉強代を上乗せされない物件を選んでいけばいいのではないでしょうか。
不動産投資だけではなく、人生が破綻するほど大きなことにならないのであれば、金融商品の投資や、人情や義理からのお金の損失、騙されること等々も。いろいろな経験が部分的に役に立つところはありそうです。
物件選びでうまくいき利益をあげるためには、概して一足飛びにはいかないと思います。
ホームランをいきなり打ったように見える方がいたとしても、実際のところはそんなことはなく前後の話や個別の事情というものがあるような気がします。
今日は大晦日です。
ブログを読んでいただけた皆様
大変お世話になりました。良い年をお迎えください。
カズシン株式会社
代表取締役 山内和美