カズシン・ブログ

カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。

競争に生き残るための

2019.12.07

レジャーホテル・ラブホテルもそうですが、いずれの商売も競争があります。

競合の少ないニッチなところへ出ていくと市場の中で伸びていけるような気はしますが、現実としては、ニッチはニッチなりの先見の明や機転やノウハウが必要であり、成果をあげるためには一層深い判断力や努力が求められるものだったりすると思います。

どのようなところへ出ていくのでも、その中のよりどの部分に強みを持っているのかを把握して、皆さん、勝負に挑まれるのでしょう。

その場所をよくわかっているとか、集客のためのIT構築が自社でできるとか、現金で買うので冒険ができるとか。

 

ホテルでも他の投資物件でも、その方がお買いになられるには理由があります。他の方がお見送りになったのにも理由があります。買わなかった方は、物件そのものがどうこうということもありますが、その物件を購入して他人よりうまくやれるとは思わなかったという意味も入っていると思われます。

他の方がお見送りになる物件を買う方の理由としては、物件そのものがどうこうということももちろん大いにありますが、むしろ個別に言えば、その物件を購入すると他人よりうまくやれると思われる優位性の自覚があるように思われます。

その優位性が、立地であったり、ノウハウであったり、集客であったり。他のホテルや物件との距離が近い、あるいは車で移動するのに道がいいなどにより、まとめて経営・運営することによるスケールメリットであったり。経費面でメリットが生じ手元に残せるお金が増えるのであれば、「じゃあ、やってみようか」と。

近隣でホテルや他の物件が出た場合、よく知っている立地であるがゆえに、慎重になり手を出さないということもあります。自分のこの物件でもう手一杯、思ったほど実入りがない、返済が苦しい・・・、いろいろあります。

よくわかるので、あえて高い金額で買う理由が見つからなかったりすることもありますし、ほしいと思っていても資金調達ができないこともあります。

隣なら買うのだけど、通りの反対側の向こうの方だと、もういいか、とか。自分の持っている物件よりいい条件の立地や価格が下がれば買うのだけど、あの立地や価格では買えない、など。

とくにホテルの場合、日銭商売なので、近隣のホテルの料金のダンピングには影響を受けます。だから、他の人に買われて自分のところに影響が出てしまうのであれば、あのホテルなら買っておいて損はないな、とか。

人(法人)が物件を買う時には、大きなお金が動く時には、皆さん、たくさん考えて、その決断のもと、取得されます。お売りになる場合だって、やはり、相当いろいろ考えてお売りになる決断をされているものです。

印象としてですが、競争に生き残るために、物件を取得し、競争に生き残るために物件を手放される。

「競争」と言えば冷たい感じがありますが、「生きるため」と言い換えることもできるでしょう。

だから、その決断には思いがこもっています。これからの幾多の困難を乗り越えていく覚悟やせっかく買った物件を不本意にも売らざるを得ない苦渋の決断が詰まっています。

採算が合わない物件を買う人はいないのですが(少なくともプロは)、採算の合わせ方は、その人が持っている諸々によって異なります。その人のあらゆるものを生かして、初めて、人はそのホテルや物件で、競争に生き残ることができるのかもしれません。

 

想像ですが、採算が合わない物件を買ってしまう人やそのケースでは、表面的な言葉でのやり取りに終始してしまうものではないでしょうか。

腹の底で考えたこと、腑に落ちたこと、腑に落ちるまで考え抜くこと、そういう経緯を踏まれていない人やそのケースでは、買った後に「こんなはずではなかった」ということになる気がします。

なぜなら、そこまで考え抜いても、商売というものは「こんなに難しいとは思わなかった」「こんなに大変だとは思わなかった」ということが普通に起こると思うからです。まして、表面的なことや言葉に動かされて、決断してしまったとしたら、すでに最初から難しい結果がセットになっていると思います。

インターネットなどでは、不動産投資の「すごい成功例」が簡単に書かれている読み物などがありますが、万人に通用するものではないでしょう。書いている方の特別な何かや超人的な強さがいい方向に作用した結果。だからこそ、「成功例」となるのでしょう。

 

私は、誰でも簡単に成功し、億万長者になる方法などこの世の中には存在していないと思っています。

そんな方法がこの世の中にあれば、「成功例」も存在しないはずだと思うからです。

 

極論かもしれませんが、自分のすべてを捧げて、命の次に大事なお金を賭けて。そして、成功する人はわかってやっておられる気がします。

 

皆さんは、いかがお考えでしょうか。

 

カズシン株式会社

代表取締役 山内和美