カズシン・ブログ

カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。

江戸の地図を見ながら、下町(町人)文化。お坊さんの本を読んで、無知と慚愧(ざんき)。

2021.03.14

日曜日の午後、時々、母と東京(江戸)の町を歩くのが楽しみでした。母は高齢となり杖をつきながらですが、階段の上り下りもできるので、私が一緒であれば、町歩きに出掛けることができます。

しかし、緊急事態宣言が出たりして、日曜日の散策はなくなりました。コロナウィルスに感染するのは怖いです。

落ち着いたら、そして母が歩けるうちに、東京(江戸)巡りをしたいです。

母も私も東京へ来てから何十年も経ちますが、地図を見ると、行ったことがないところがたくさんあって、また行ったことはあるけどよく覚えていないところもあって、東京が新鮮に感じられます。

江戸の地図と東京の地図を見比べると、今と昔が合ってきて、何とも言えない懐かしいような気持ちが起こるから不思議です。

江戸は、りっぱなお屋敷が立ち並んでいた中心から、下町(町人が暮らす)へと広がっていきました。江戸時代は職業や住む場所などが、身分などによって異なっていたため、武士と町人は、住む世界が違って、生き方も考えることも違ったことでしょう。

山の手と下町では違いがあるのですが、いずれにも人を引き付ける魅力があります。

土地の高いところ(台地)低いところ(低地)、歴史の価値、などいろいろ場所で差があります。

それが現在においても、土地の価格にもつながっているように思われます。

私は、山の手の感じにも魅力を感じますが、下町(町人文化)に一層心動かされます。

逞しく、元気に、不遇にも不貞腐れず、その時代を各々の生を生き抜いた人たちが多くいると感じるからです。

「鬼平犯科帳」シリーズ(作家、池波正太郎)の舞台となる地図も手元にあります。

密偵の「おまさ」が住んでいた場所がどこで、誰が住んでいたのがどこで、どこへ行って、というのがその地図に印がついています。今の場所に実際に「おまさ」がいたかのような楽しい気分が生じます。

 

ところで、コロナ禍、必要な時以外ほとんど外出をしなくなったため、家にいる時間が増えました。その時間で、僧(お坊さん)が書いた本を読みました。

失敗や間違いを繰り返したと思う自分のこれまでの人生において、私の「無知」ゆえであるとわかりました。

「慚愧(ざんき)」(恥ずかしいとか怖いとか思う気持ち)が欠けている性格も影響を及ぼしていると思います。

 

どうやら、修行して上の段階に達していくと、思考せず(言葉で構成しなくても)、結論がすぐに出せるようになるようです。そしてその結論には間違いがない。物の道理がわかってくると、そういう力が内からわいてくるようになるのでしょう。仏教では、因果法則が重んじられているようです。

原因に結果が伴うのであれば、原因が正しく理解できれば、思考する(言葉で考える)必要はないのかもしれません。

 

私には、私と相手という理解はあるのですが、そこにもう1つ、社会(組織、会社、人間の集団などと言いかえてもいいでしょう)という視点が不足しているのだと思われます。たとえば、社会(他人)が自分(私)をどう見ているのか、といった考えをあまり持ち合わせていない気がします。

元々自分がどうしたいという気持ちが強く自由に生きたいという思いがベースにあったためか、高校を卒業して実家(故郷)を出てから、社会(コミュニティ)という無視できない存在の重みがなくなった気がしたのでしょうか。社会に規定されている自分自身について考えることがなくなった気がします。

社会の規則に従って生活していくからこそ、みんなと仲良くやれるものだとするならば、楽に生きるためにも社会について考えておくことは大事でしょうと、思うようになりました。

 

好きな本は? 3つ思い付きました。

カントの「純粋理性批判」、ロマンロランの「ジャン・クリストフ」、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」が好きです。

言葉で考えて、熱心さをもって行動し、「雨ニモマケズ」の『木偶(でく)の坊と呼ばれ(そういう者に私はなりたい』の生き様から表裏の気づきを得る。

おそらく、私は、そういう本が好きで、そこにある世界観が合うような性格で考え方です。

だから、いいもわるいもなく、今、こういうことになっているのだと思います。

 

皆さんは、どういう性格で、どういう考え方をしていますか?

好きな本は何ですか? 本を読むより、きれいなものを見るのが好きですか? 音楽を聴くのが好きですか?

あるいは、おいしいものを食べるのが好きだったり、身体を動かすことが好きな方もおられるでしょう。

 

人は、自分が見たいものを見て、聞きたいものを聞いて、理解したいように理解している。私が好きな本は私が考えたいこと、考えやすいことに当てはまりやすいもの、性格にあった本だということになります。

本を読む刺激を好むというのは、それもまた、私が好きな感覚が概念を取り入れるということになるのでしょう。

人は皆さん好きなものが違います。何をする時間が多いかで、その人のことはある程度わかるかもしれません。

話をすればもっといろいろわかります。

 

自分の常識は、他人の常識ではない。だから、社会の規則に制約を受けることで、自分と他人は何とかうまくやっていける(やっていくほかない)。それがこの世の中というもの。そういう気がいたします。

 

カズシン株式会社

代表取締役 山内和美