カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。
2021.01.04
不動産業界や不動産屋は、評判が良くないようです。
世の中にご迷惑をおかけしているのでしょうか。確かに、「これはひどいな」とか「どう考えても、これはおかしいでしょう」と思う案件(物件の流通の仕方や取り扱われ方)があり、それら案件に登場する不動産会社や営業マンたちに気をつける必要はありそうです。
そうした会社や彼らが取り扱う案件(物件)の流通においては、知識や誠実さなどが感じられず、欲が絡みつきながら、本来の情報が真実と異なるものになっている。極端な例になるかもしれませんが、解きほぐさない限り、普通の商取引になりません。
宅地建物取引業の免許を保有していない「ブローカー」と呼ばれる人たちが関わっている案件(物件)の情報が行き交うこともあるのですが、その人たちは、不動産業ではなく、不動産屋でもないので、今回の話からは除外するとします。
・不動産業界の問題として
物件の売却を受けた際に「囲い込み」をして同業他社に情報を出さず、その元付業者(売主から売却の委任を受けた)1社がお客様も探して、その1社で両手仲介(売主と買主の両方からの仲介手数料を受領)することの弊害が指摘されています。
私は、レジャーホテル(いわゆるラブホテル)物件の売却を売主様から依頼されることがあります。
営業中の物件を売却する場合、かなり神経を使います。商売をされているわけですから、従業員を雇用し、隣近所との付き合いなどもあります。売却というのは、どちらかと言えばネガティブな響きがあります。「あそこのホテル売るらしい」からはじまって、「商売(ホテル)がうまくいっていないのかな」など噂話のネタになるようで、売主様としては好むことではありません。
売主様にとっての得がないため、できれば避けたい状況となります。
従業員の方々も噂話が耳に入り、経営者としてはストレスがかかります。心労が増える原因となります。
情報開示先=(イコール)購入先。相手を厳選したうえでそちらと内々で話をまとめてもらいたい、そう希望される売主様がいます。程度の差こそあれ、本音を言えばほとんどの売主様がそうしてもらいたいとお考えのようにも受け取れます。
仲介手数料を両手にしたいからという理由や気持ちからではないのですが、まして「囲い込み」をしたいわけなどではないですが、誰にでもどこにでも売り情報を出すというようなやり方は、レジャーホテル物件の場合は合わないところがあります。
売却することがわかると、従業員の方々のモチベーションにも影響があり、売上のさらなる低下が起こることもあります。
売上が下がると価格に影響します。少々価格を下げたくらいでは売れず、売るに売れない事態も起こりうると考えられます。
したがって、職責を全うした結果として「両手」仲介となる。売主様にも喜ばれます。
売主様から売却を依頼されて、私がすぐに買主様を付けられればいいのですが、物件の諸条件等によって、同業者に心当たりをきいてみることもあります。きいてみるとしても信用できる業者ということになります。
しかし、私に買主様の心当たりがないケースでは、同業者も同様の結果となりがちです。
売主様から売却の依頼を受けた物件(弊社が元付業者となる)では、他人(同業者)頼りがまず効きません。
経験上そうだったから、私は、基本、私自身が物件を決める力、買主様を見つける勘所、仲介の腕を磨くほかないと考えています。
話を戻して、一般物件の場合、広く買主様をお探しすることが有効なケースは多いと思います。
(とは言え、情報がすでに出回っている物件は「出回り物件」と位置付けられ、購入検討の対象からはずす方もおられるようです。その観点から言えば、成約につながらないところで無駄に情報を拡散させることはいいとばかりは限らないでしょうか。)
両手仲介を視野に入れるのであれば、元付業者であれば自社でインターネットに物件を掲載して直接、購入検討者様からの問い合わせを受けられるようにしておく、というやり方があります。こちらは、「囲い込み」をとくに意識していなくても、広告を出すということになれば、通常の流れです。
ただし、元付業者や、売主(売主が業者の場合)が広告を出さず、客付業者が広告を出しているケースがあります。それは、売主業者や元付業者の考え方や、その物件に対する取り扱い方の違いなどによります。
「物件の売却の委任を受けたら、適切に売却活動をし、(売主様の希望にもよりますが)早期に成約させる」ことが求められます。
インターネットに広告を掲載することにより、情報を広く知らしめることになり、多くの方に物件を知っていただける機会が増えます。
しかし、いつまでも売れずに広告掲載していると、「売れ残り物件」のように世間で見られてしまうことがあるようです。
売れない理由が高いからなのか、物件そのものが売りづらい要素があるのか、同じような物件でもっと購入意欲を引き出す競合物件が出ているのか、いずれにせよ、何か原因はあります。
途中で軌道修正も入れながら、不動産業者は、「成約」に向けて、一つ一つの物件について自社、自分のやり方で取り扱いをします。
単に両手仲介としたいから「囲い込み」をするという業者や営業マンもまだ業界の中には存在しているのかもしれません。それは、仕事として、アンフェアであり賛同できるものではありません。
ただ、不動産は全く同じという物件はないため、物件ごとに、取り扱い方に差異が出てくる面は残ると思います。
また、不動産会社によって、考え方や得意分野も異なります。仲介の営業マン各自、能力や経験、知識には偏り、レベルの差があります。
不動産業界は変わっていくべきだと思います。私自身も含めて、努めて、世の中の方々から信用していただける必要があります。
コロナウィルスの影響により、世の中は変わりました。
マスクをした人間ばかり見かけるようになりました。
明らかに、世の中は変化しています。
政府は、補償し、給付金を支出したり、融資を増やしたり、お金が注がれています。
そうすると、いずれインフレになるのでしょうか。
現状で言えば、リアルタイムで、お金は不動産に向かっているように感じます。
変化の時代には、それまで有利であったところが不利になり、半面、それまで不利であったところが有利になる。そういう変化が起こるものだと思います。(もちろん有利だったところがさらに有利に、不利だったところがさらに不利に、ということもあるでしょうが。)
旧態依然として変化してこなかった、諸々が変わるチャンスがきていると思います。
その中の1つが、不動産業界であり、さらにその中の1つが私自身なのだと思います。
皆さんはいかがお考えになりますか。
カズシン株式会社
代表取締役 山内和美