カズシン・ブログ

カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。

スルガ銀行、シェアハウス、借金棒引き

2019.12.01

東京新聞 TOKYO Web

2019年11月21日 00時46分

『スルガ銀、借金棒引きを検討 不正融資巡り、土地建物手放せば』

「シェアハウス向けに不正な融資をしていたスルガ銀行が、所有者が土地や建物を手放した場合に限って債務の解消を検討していることが20日分かった。実現すれば、事実上の借金棒引きとなる。シェアハウスのオーナーは救済措置を一貫して求めており、スルガ銀には不正融資問題に区切りを付けて経営再建を急ぐ狙いがあるとみられる。

 ただ、シェアハウスの所有者側の弁護団は「銀行側との主張にはまだ隔たりがある」と説明しており、協議が難航する可能性もある。シェアハウスのオーナーには会社員も多い。

 スルガ銀は多額の貸倒引当金を計上しており、借金の棒引きに応じても負担は限定的とみられる。」

 

他の新聞でもネットで記事が出ているのでご存知の方も多いニュースでしょうか。

 

元本一部カットについてはスルガ銀行が応じるらしいことは知っていたので、今回のニュースを知るまでは、スルガ銀行の対応としては元本カットくらいまでかなと、思っていました。

債務の解消まで、スルガ銀行が対応するとしたら私の想像を超えていました。今回のニュースを目にした時には、驚きました。

 

オーナー様たちや弁護士の先生方が粘り強い交渉を続けてきたということ、早期決着を付けスルガ銀行が再建を早く前に進めたいこと。スルガ銀行が新たな出発をするためには、世論の風向きにも敏感になる必要があるだろうこと。

諸々あってのことでしょう。

事実上の借金の棒引きが行われるとしたら、言葉通り「異例」として実現するということになるのではないでしょうか。

諦めないで世論も動かしてきたオーナー様たちの気迫と気力が天に通じたということになるのでしょうか。

 

「騙される」時は、途中で「何かおかしい」という感じがあるように思われます。「何」に違和感を感じているのかは明確ではないとしても。

騙されていると感じても、人は、すでに自分自身が明言し、その進行に同意している事柄を中止する意思は表明しづらいものです。

 

でも、どこかで言わなければ、最悪が起こってしまう。

できるだけ早く言うのがいいのでしょう。でも、自分の人生の明暗を分けることであれば、遅くなっても言わないより言う方がいいと思います。

言わない選択によりその後の人生の後悔がいかほどのものになるのか、考えてみれば。

 

あえて戦ってまで言わなくても自分の内で「勉強代」と思える、乗り越えられる話であれば、それもいいでしょう。むしろ、その方がいいのかもしれません。

しかし、たった一度しかない人生それが原因で一生苦しむことになるとしたら、自分自身を大事にして「言うべきところでは言う」という強さが道を開くことはあると思います。

 

お金というのは、ある意味、実力通りだと思います。実力がお金を生み出し、実力以上のお金や財産は身に付かず、貰いすぎた金銭や財産は帳尻が合ったかのように全部他人に持っていかれ、騙されて「勉強」して乗り越え真に強くなる人もいれば、勇気を奮い立たせて問題解決に動き負債に人生を縛りつけられずに済む人もいます。

お金というのは正直なものなのでしょう。

そうであれば、お金と付き合おうと考えるならば、正直に生きる方が最終的には得があるのかもしれません。

スマートデイズ(旧スマートライフ)・かぼちゃの馬車・スルガ銀行・・・お金や不動産(物件)について、いろいろ考えさせられます。

 

スルガ銀行が実際に借金棒引きにする結論に至るのかどうか。

その結論が出る時、「お金に笑い、お金に泣く」と言われる職業である不動産業者の一人として、自分自身しっかり心に刻んでおきたいと思います。

 

カズシン株式会社

代表取締役 山内和美