カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。
2018.05.28
スマートデイズ(旧スマートライフ)オーナーの弁護団は、22日、スルガ銀行の行員と販売会社の担当者らあわせて33人を有印私文書変造などの疑いで警視庁に刑事告発したそうです。
ローンの審査が通りやすくなるように預金残高を実際よりも多く見せかける通帳の改ざんが横行していたそうです。
スルガ銀行の行員が黙認していたことを認めているそうですが、スルガ銀行としての組織的関与は否定しているそうです。
オーナー様たちの融資申込み時の預金残高(自己資金額)が実際とは異なっていることなどについては、行員が黙認していた、見てみぬふり、というのは、非常に良くないことではありますが、場合によってはあることかもしれないことだと思われました。
しかし、仮に、販売会社と共同で書類の改ざんにまで自らの手を染めた、となると、いよいよ、販売会社とその行員たちの間には、理屈ではないもっと違う何かが働いていたのではないかと考えてしまいます。
接待など、誘惑の世界に連れていかれて、気が付いた時には、もう戻れなくなっていたのか。
それとも、行員自らが、販売会社に要求し、行員サイドにおいてプラスに働く(マイナスを回避できる)、満たされる(損失を被らないですむ)何かがあったのか。
そのいずれでもなく、あるいはそのいずれもが結び付いて、切っても切れない、抜き差しならない関係となり、年収も含めたところでの書類改ざんに行員自らが着手したといったことが仮にあったのか。
そして、それは、支店の、あるいは自らの成績のためなのか。誰のために行ったことなのか。何のために?
そもそも理屈ではないところが起点となっているのであれば、「誰のためでもなく、何のためでもなかった」ということさえ、あり得るのでしょうか。
当の本人となってしまったスルガ銀行の一部の行員や、販売会社の社員の方々でなくては、その実態は正確にはわからないと思います。
なお、銀行に入社できたということは、エリートとして恵まれたレールにそって生きていける人生を手に入れたということに近い理解をご本人も周囲も持つことが多いのではないでしょうか。
だから、書類の改ざんを行って、退職することになったり、刑事告発までされるということは、一定の見方をすれば、「割りに合わない」ということになるように思われます。
その「割りに合わない」ことに手を染めた、ある意味、巻き込まれてしまったということであれば、冷静な思考能力が欠如させられた何かがあったということでしょうか。
販売会社の社員にしてみても、そのようなやり方で成績を上げることが魅力的であったということは、それほど得が多かったということなのでしょうが、後々の今回のようなトラブルを想定すれば、あえてやるのは冷静さに欠けていたと言わざるを得ないでしょう。
だから、欲を満たされたようでいても、結果的に、ただいいように動かされてしまって、その結末として「刑事告発」されたのだとしたら、この人たちは「自業自得」であったとしても、人間であるがゆえに、今回のスキームの中で翻弄されたのではないかという気がしております。
「では、誰がわるかったのか?」その問いに答えが出る日はくるのでしょうか。
カズシン株式会社
代表取締役 山内和美